わたしは貝になれない

人生の偏差値50

海底の墓場へ

大学生の時、広島に旅行した。二泊三日。 8月の初めでとても暑かった。 原爆資料館を見て回った後、案の定陰鬱な気分になった。 直ぐに街をぶらつく気分になれず、平和記念公園の片隅に腰掛けてぼーっと空を眺めていると、チャリ乗った裸の大将みたいなオッ…

白滝の翁

自分という人間は、ゾンビ映画だったらオープニングで噛まれてゾンビ化し主人公の運転する車を追いかけ、異能力バトル漫画だったら普段は普通の高校生である主人公の秘めたるパワーを目の当たりにしてワナワナ震える、そんなモブの中のモブ。 電車乗ったら同…

そのTシャツはユニクロですらなく

10代の頃は人並みに宝島社あたりから出てる雑誌読んで、1時間強鈍行列車に揺られて仙台フォーラスまで行った挙句に奇抜すぎる原色レインボーカラーのパーカー買ったりした時期もあった。 地元はハラジュクでもシモキタでもない肥臭い田舎で、タワレコも古着…

きみはコンビニの妖精

新居決める時に、最寄りのコンビニまでどのくらいかかるかってのは重要です。 特に自分のように呪われた人間は、深夜に煙草が切れてるのに気付いてハァ面倒だけど買いに行くかと重い腰上げて自販機まで行って財布開いてみたら万札しか無かったとかそういや飲…

バナナケースのレゾンデートルについて

透析施設に勤務していた。 ベッド数50患者数150人程で、忙しすぎず暇すぎずのまぁまぁの規模だった。大汗かいてバタバタ走り回ることもあるが、休憩室でダラダラ菓子食いながらヒルナンデス観てる時間もある。緩急ある仕事はやり易い。だもんで、スタッフ同…

ふるさとの煮こごり

地方出身者が上京すると、地元の田舎っぷりを説明する機会が何度もある。 もう卑屈を絵に描いたような顔して嬉々として語っちゃうようなとこある。 特に東北生まれなんて田舎者の代表で、ハァ〜テレビもねぇ!ラジオもねぇ!オラこんな村イヤだ〜の吉幾三の…

あなたも少しは耳をすませば

昔はそんなでもなかった。 別に冒険するでもないし中学生が惚れた腫れたやってるだけの少女漫画じゃん一回見りゃいいっしょ、さてラピュタ見よ〜、と。 クソガキの目には聖司と雫の純粋さが尊く映らない。しかし年取ると、若い子が泣いたり笑ったりして頑張…

次は垢すりもやってもらおうか

本当かどうか知らんが、ムスリムの男は死んだら天国で酒飲み放題肉食い放題、72人のパツキンチャンネーとやりまクリマクリスティーらしい。発想が欲望丸出しで中学生男子かよ、でも素直でよろしい。誰が聞いてもそりゃ最高だろうなってなるし。何事も分かり…

水兵Liebe my boat

もう結構いい歳にも関わらず、未だによく分からないことが沢山ある。 量子力学とかそういう小難しいことについてではなく、日常的な物事について。 30過ぎても十二支が言えない奴を、マジかよ無知すぎるだろと馬鹿にしたことがあったが、そういう自分は31日…

ベリアル様

自分の母親は読書家で、図書館で限度枠いっぱいに借りてきてはすぐに読んでしまう。読むのがめちゃ速いが故に、金が勿体無いからと本好きにも関わらず自分用には滅多に購入しない。が、子供の教育に関しては金を惜しまない面もあり、本であればどんな内容の…

何のために生まれたのか

うまいもん食べるために生まれてきた。稀代の食いしん坊である。 パネルクイズアタック25を毎週視聴しているのだが、飲食についての問題は誰よりも早く答えられる。人一倍、食への関心が強い自負がある。しかし、グルメではない。何食っても大抵うまいと思う…

ゾンビ、夢、自由研究

幼い頃からゾンビが大好きだ。 特にジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」が滅茶苦茶好きである。 小学生の頃、レンタルビデオ屋で自分があまりにも毎回ゾンビ借りようとするので、母親から「お願いだから他のを借りて」と懇願されるくらい心酔していた(ちなみに…

仙人ツアー

両膝に爆弾を抱えている。いや、爆弾と言うと少し物騒すぎるので、ここは不発弾と呼びたい。 先天的に両膝の半月板が一部欠けているため、簡単に脱臼してしまうのだ。 初めて脱臼したのは小学5年で体育の授業中、バスケをしているときだった。遠くからパスを…

胸騒ぎ

浪人して大学に入ったのに就職活動に失敗し、看護師になるべく専門学校に入り直した。 こう言うと、就職難の時期だったから…と気を使われることもあったが、失敗した原因は完全に自分にある。 大学受験のときもそうだったが、自分は変なところで楽観的という…

尻から生まれる生命もある

自分は少し神経質なところがあり、外出先ではなかなかうんこができない。 特に汚い和式トイレには寒気がする(まぁ好きな人間はいないと思うが)。 高速のSAのトイレがギリ許容範囲。 よって、小さい頃は学校のトイレでうんこなどできるわけがなく、便秘症ゆえ…

庭師のおっさんへ

大学卒業した年の夏。 実家でニートよろしくゴロゴロしていると、 「明日庭師が来るから、挨拶してお茶出しくらいしなさいよ」 と母親が言う。 都会の人は家に庭師を呼ぶと言うとどんな豪邸に住んでんだよと思うかもしれないが、別に自分ち田舎だから土地広…