わたしは貝になれない

人生の偏差値50

白滝の翁

自分という人間は、ゾンビ映画だったらオープニングで噛まれてゾンビ化し主人公の運転する車を追いかけ、異能力バトル漫画だったら普段は普通の高校生である主人公の秘めたるパワーを目の当たりにしてワナワナ震える、そんなモブの中のモブ。

電車乗ったら同じ車両に3人くらいいるような見た目な上に趣味はありがちな読書と映画鑑賞だし、日本人に一番多いA型である。

満員電車乗りたくないから一本見送ったり、仕事終わりにビール飲んでこの一杯の為に生きてる!と高まったり、エレベーターで開ボタンずっと押してあげたのに降りる時に会釈してくんない奴なんなの?と2秒で終わる憤りを日々抱えたりしている小市民である。

いつもあなたの隣にいる。

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勝新と玉緒は平凡ではない

とは言え、平凡な自分を受容するにも紆余曲折あった。

「他の人間とは違う独自の感性を持っている」という誰もが一度は抱く誤った確信の赴くままに、通ぶって古い洋楽聴き始めてよく分かんねー癖に人に勧めたりして苦笑いされて「変わってるね」なんて言われたらも〜うその言葉待ってました!とばかりに、そうそう!変わってるってよく言われるんだよな自分じゃ分かんないんだけど〜(汗)と早口で捲し立てる、そんな思春期を送った末に、後年その時期の言動をふと思い出して瞬間的に羞恥心がメーター振り切っちゃってあああああ!(自分)死ね!って声出さずにいられなくなる。

その全てが平凡だということも、今は理解している。

 

 

ところで、昔「危ない1号」ってアングラ雑誌があった。

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薬物とか人体改造とかパリ人肉事件の佐川一政の手記に村崎百郎がゲスな対訳つけたやつ等々が載ってて、3〜4巻出しただけですぐ廃刊になってしまった記憶がある。

「独自の感性を持っている」と勘違いしてた思春期の頃にこれは!と思って購入した。当時は「日本全国のゲス野郎に捧ぐ脳天爆裂ブラック」というキャッチコピーに青い感性がビンビンに刺激されたが、これ程ダセーキャッチコピー中々ないだろと今は思う。

初カキコ…ども…
俺みたいな中3でグロ見てる腐れ野郎、他に、いますかっていねーか、はは

今日のクラスの会話
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな


かたや俺は電子の砂漠で死体を見て、呟くんすわ
it'a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。


好きな音楽 eminem
尊敬する人間 アドルフ・ヒトラー(虐殺行為はNO)

なんつってる間に4時っすよ(笑) あ~あ、義務教育の辛いとこね、これ

ネットでよくみかける彼のことを全然笑えないのである。

要するにただの中二病だっただけであり本来アングラ方面には全く興味ないので、パラパラめくってすぐに飽きてしまった。

 

ただ、「アナル弄り続けて60年」みたいな大正生まれの変な爺さんのインタビューだけは興味深く読んだ。爺さんの生い立ちから何故アナル弄りに興味を持ったか、今までどんなプレイをしてきたかetc。

詳細は覚えてないが、確かアナル愛好家達の祭典(何それ)が催された際、アナルを使った芸を披露する大会?的なもんがあり、爺さんはそのステージで観客に尻を向け、アナルにクスコ挿して白滝を注ぎ込んだ。その後クスコを抜くとさながらアナルから華厳の滝のような美しい滝が流れてるように見えるっつー芸で、観客の喝采を浴びたと言う。

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若い人達が馬鹿デカいバイブ突っ込んだり肘まで腕突っ込んだりする中、爺さんの芸は際立って美しく品があったとのこと。(品とは…)

世の中は広いですね、と思いました。

 

 

 

以前、立ち飲み屋で隣同士になった女性。

背が高くて金髪で腕に厳つい墨入ってるから、女子プロの人?と思ったのだが、女王様だそうだ。もう20年以上やっていて、その界隈では割と有名な人らしい。

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彼女は言うなれば高級女王様であり、プレイするには結構な金額を要する。故に、医者や有名会社の重役など社会的地位の高い人間が主な顧客だと言う。

 

そんなエリートである顧客の一人に、女王様に虐められたいが為に毎回少女漫画ばりのドジかましてくるオッさんがいるらしい。

プレイ中に、縄取ってこい!とオッさんに命じたら、分かりましたっ!って取りに行く途中に絶対わざとコケて反応伺ってくるから、

「テメェ何コケてんだよ!」

と仕方なく毎回ブン殴る。

それに味しめたのかプレイ中ならまだしも外でもかましてくるようになり、駅で待ち合わせして「今日はよろしくお願いします!」ってオッさんが頭下げた時、胸ポケットにペンを大量に入れてるもんだからボロボロって全部落ちて散乱し、ハゲ頭晒して「ああっ!申し訳ありません!」って焦ってたけど完全にわざとだからスゲー腹立ったと。

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女王様業も大変ですね、と思いました。

 

と同時にふと危ない1号のことを思い出して、昔こんな雑誌に変な爺さんが載ってましてね、と女王様に伝えたら、なんと顔見知りとのこと。

「知ってる知ってる!白滝のジジイ!あいつしょっちゅうそれやってんだよ〜。」

と呆れ顔で仰ってましたが、自分はなんか「繋がった!」という感動があった。

何の接点も無い田舎の中学生と都会の女王様が、中二病故に手に取ったクッセぇアングラ雑誌に載ってた白滝のジジイを介して、今ここに繋がったのである。素敵やん。

いや別に繋がるとこは他にも探せばあるかも知れないが、白滝のジジイで繋がるっていうのが凄くないですかと。そういうことです。

 

 

恥の多い生涯を送ってきました。今となっては中二病も青春の一つの形であり、そう悪いもんでもないなと思える。平凡な自分を痛い程に自覚している今だからこそ、ですね。

ただ、自分が思春期の時にSNSがなくて良かった!そこは本当マジで!

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地獄!

 

おわり